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The Voice of GROWTH グロースの声

! GROWTH

(グロース)とは?

席貸しから個室までフレキシブルにご利用可能な、住友不動産が提供する
家具付きインキュベーションオフィスシリーズです。

「誰もやっていないことをやる」。

韓国出身・東大卒のAI博士が切り開く、

日本の医療AIの未来

「誰もやっていないことをやる」。

韓国出身・東大卒の

AI博士が切り開く、

日本の医療AIの未来

カリスト株式会社

CEO

韓昌熙(カリス)氏

@

GROWTH

新宿

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カリスト株式会社

CEO

韓昌熙(カリス)氏

@

GROWTH

新宿

カリスト株式会社 CEO 韓昌熙(カリス)氏

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INTRODUCTION

登録者約7.6万人(2025年1月現在)を擁するYouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』。そのチャンネルの中で科学的勉強法やAIなどについて説いているのは、16歳で東大に合格した韓国出身の起業家、韓昌熙(Changhee Han)氏。「カリス」という愛称で、メディア出演や著書出版など活躍の場を広げています。

そんな彼が2022年に設立したカリスト株式会社は、医用画像データとそれに紐づく臨床情報・分子データを医療施設から収集し、匿名加工・取捨選択・アノテーション・標準化を施して、医療・創薬領域のAI研究開発に取り組む企業へ販売するというプラットフォーム事業を展開しています。今回は同社の起業ストーリーや今後のビジョン、『GROWTH新宿』での働き心地についてお話を伺いました。

#1 起業ストーリー

東大でいち早く医療AI研究に取り組み、日本の医療AI領域の第一人者に

インタビューイメージ01

韓国から日本の東京大学へ進学された経緯をお聞かせください。

「自分の幸せな未来のために海外に留学・移住したい」という強い思いがもともとありました。15歳のときに高卒認定試験に合格し、次の進学先として米国か日本の大学を検討したのですが、米国の大学は成績だけでなく課外活動や面接なども含む総合評価で合否が決まる場合がほとんど。一方、日本には当時「日韓共同理工系学部留学生(※2025年1月現在この制度はなし)」という制度があり、テストの成績のみで合否が決まる上に、そのうちの上位5人が東大に入れるというシンプルなルールでした。

当時の僕は「自分なら余裕で東大に受かるはず」と思い、16歳のときにこの制度で受験して東大に合格しました。実際に入学したのは、制度の規定で18歳になってからでしたが。

医療AIの道に進むことを考え始めたのはいつ頃でしょうか。

僕は20年前から「AIは人類最大にして最後の発明になるだろう」と考えてきました。そのため、東大入学当初からすでにAIをやると決めていたんです。近い未来、人間の全知能をも超えたAIが出現すると確信していたので、入学後は電子情報工学科でAIを学びました。

その中でも医療AIに着目したのは、大学院に進んでからです。当時も今も、日本の医療AIは世界に5年10年も遅れをとっています。僕のまわりに医療AIを研究している人は誰もいなかったので、「今から取り組めば、自分が医療AI領域の第一人者になれる」という意気込みで毎年海外のトップ大学に武者修行に出て、研究に没頭しました。MRIやCT画像から癌などの病変を正確に検出するといった医療AIの研究に取り組みましたね。

現在のカリストの事業にもつながる研究をされていたんですね。当時から起業は視野に入れていたのですか?

起業するのか、あるいはどこかの会社で事業を立ち上げるのか、博士課程修了後の進路はまだ決めかねていました。そんな中、ちょうど医療AIを事業としていた東大発スタートアップのエルピクセル社から誘われてCEO補佐を任せていただき、研究開発や事業開発、ロビイング活動など、さまざまな業務に1年半従事しました。

大きな転機となったのは、2021年のテレビ出演。当時僕がやっていたYouTubeがきっかけで某テレビ番組に出演してから、僕の認知度が急上昇したのです。そこで、「起業するのであれば、資金調達や仲間集めなどの観点からも今が絶好のタイミングではないか」と一念発起し、起業を決断しました。30歳を前にして「20代最後の挑戦」という気持ちもありましたね。

インタビューイメージ02

現在のカリストのメイン事業である「医用画像データプラットフォーム事業」について、概要を教えてください。

医療施設から提供された医用画像データとそれに紐づく臨床情報・分子データを、「今すぐ医療AIや創薬AIの研究開発に使えるデータセット」に加工して集約し、医療AI企業・医療機器メーカー・製薬企業などへ販売する事業です。売上の一部はデータ提供施設に還元し、持続可能なエコシステムを目指しています。また、プラットフォーム内のデータセットも可能なら活用しつつ、AI受託開発とコンサルティングも行っています。

「医用画像データプラットフォーム」というビジネスモデルはどのように発想したのですか?

AIを作るためにはデータセットが欠かせませんが、医療や創薬に関わるデータセットはそもそも入手困難な場合が多いので、僕自身もこれまで企業・研究所・病院で働く中で常に困っていました。医用画像の種類、疾患、身体部位、人種、年齢、性別……とさまざまな条件がある中で、望みのデータを入手するのは本当に大変なことなのです。

もともと僕は、起業するなら社会への波及効果がより高いインフラビジネスにしようと考えていました。そこで思い至ったのが、これまでに培った医療分野・AI分野両方のネットワークと技術力を活かし、「医用画像データプラットフォーム」という医療AIインフラを作ること。日本はMRIやCTなどの機器台数が多く、国民皆保険であるため、医用画像データの量が世界トップクラスな上に質もすごく高い。ところが、さまざまなことに慎重な国柄なので、医療データ共有にも当然慎重で、「匿名加工情報とはいえ本当に個人情報は大丈夫なの?」といった漠然とした不安が医療施設側にありました。そのため市場には医用画像データがほとんど流通していなかったのです。その“持ち腐れている宝”を活かさない手はないと考えました。

法律上のハードルをクリアした上で、医療施設に地道に交渉を続けた結果、1年ほど経ってようやく最初の協力施設が現れました。業界での僕の実績とビジョンを信頼していただけたとのこと。今では大病院もいくつか協力してくださっているので、協力施設は今後さらに増えていくと思っています。

日本に来てから現在まで順風満帆に見えるカリスさんですが、これまでに最も苦労したことは何でしょうか。

大学院時代に日本の永住権を取得するときが一番大変でした。永住権がなければ卒業してすぐ兵役に行かなくてはなりません。キャリアを続けるためにそれだけは避けたかったのですが、永住権を取得するには社会人としての実績が必要。学生だった僕はほんのわずかな可能性に賭けて、日本政府に「僕は天才だから例外を認めてください」と談判したんです。

ほぼ無意味だと思いながらも、半年かけて100枚以上の書類を揃えて提出した結果、兵役で韓国に戻らなければならない期日の直前にようやく永住権を取得することができました。そのときは本当に安堵しましたね。誰もやっていないことをやる「逆張り思考」は僕の成功の秘訣だと思っていて、今ビジネスを推進する上でも常に意識しています。

#2 GROWTH新宿での
働き方

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#2 GROWTH新宿での働き方

立地・眺望・コスパなどすべてに惹かれ、内見後3分で即決

インタビューイメージ03

2024年に『GROWTH新宿』に移転した経緯をお聞かせください。

以前は池袋のシェアオフィスに入居していましたが、契約期間の終了にともない移転先を探すことになりました。そのとき最初に連絡したのが住友不動産。以前、住友不動産の方から連絡をいただいてオンライン面談をしたことがあり、面識があったのを思い出したんです。

そこで『GROWTH新宿』をご紹介いただき、内見後3分くらいで即決(笑)。すべてが素晴らしく、断る理由が見つかりませんでした。

たとえばどんな点に魅力を感じましたか?

まず、新宿のど真ん中というアクセスのよさ。お客様も従業員も来やすい立地であることは重要です。18階の窓からの眺めも素晴らしくてテンションが上がりますし、『GROWTH新宿』が入っている新宿住友ビル自体も、おいしい飲食店がたくさんあって便利そうだなと思いました。

あとはやっぱり、家具つきインキュベーションオフィスという形態ですね。掃除や備品管理を自社でする必要がなく、さらに家具までついていて賃料はリーズナブル。時間やコストを惜しんで事業に専念したいスタートアップにはとても魅力的でした。

実際に入居してみて、改めて感じているメリットはありますか?

銀行や投資家、製薬企業、医療機器メーカーなど、さまざまなお客様がオフィスにいらっしゃいますが、「きちんとしたオフィスに入居されているんですね」という声をよくいただきます。医療AIや創薬AIは信用が重要な領域ですので、そうした反応をいただけてありがたく思っています。

また、弊社は執務ルームの他に専用のミーティングルームがついている部屋を契約したのですが、これがとても便利で。共有のミーティングルームのように予約をする必要がないので、使いたいときにパッと使えて快適です。
『GROWTH』ではスタートアップ関連のイベントがよく開催されているようで、先日も『GROWTH虎ノ門』で全入居企業が集まる親睦会がありました。僕は事業が忙しくて行けなかったのですが、今後タイミングが合えばぜひ参加したいですね。

インタビューイメージ04

現在のカリストの組織構成や社風を教えてください。

現在はフルタイムメンバーが6名で、業務委託などを含めると20名以上の組織です。データセット・ソフトウェア・AIにまたがるものづくりに従事しているメンバーが9割以上。今後は営業やプロジェクトマネジメント、ファイナンスなども強化していきたいと思っています。

社風としては、「プロ意識」の高い人が多いですね。スタートアップはとても大変なので、その中でも弊社のビジョンやミッションに共感して、みんなで同じ目標を成し遂げたいと強く思えることが大切です。採用では専門性ももちろん重視しますが、そうした社風と相性がいいかどうかも大事だと思っています。

みなさんのプロ意識を維持するために、経営者として心がけていることはありますか?

メリハリのあるコミュニケーションです。僕は年齢やキャリアに関係なく全員に敬語で話しますし、誰に対してもフラット。月ごとや四半期ごとにミーティングをしたり、定期的に会食をしたりして、お互いにコミュニケーションを取りやすい環境をつくっています。他にもSlackでメンバーの誕生日botが流れるようにしたり、オフィスでマッサージを受けられる福利厚生を導入したり、みんなが快適に働けるような工夫もしています。

一方で、自分の責任を果たしていない人がいたときは、みんなの前できちんと指摘するなど厳しい側面も。プロスポーツ選手も同じだと思いますが、普段は和やかにトレーニングしていても、いざ試合が始まると緊張感が高まって監督から厳しい声が飛んだりしますよね。それがまさに「プロ」のあるべき姿だと思うので、僕も常に心がけています。

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#1 起業ストーリー

#3 事業と組織のこれから

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#3 事業と組織のこれから

課題先進国としての強みを活かし、医療AIで世界に挑む

インタビューイメージ05

今後の事業の展望をお聞かせください。

医用画像データプラットフォーム事業については、海外展開に力を入れていきます。海外でもニーズがある理由は主に3点。海外企業が日本市場に参入する際に日本のデータが必要であること。東アジアではデータの流通に規制がかかっている国が多いため、東アジア人のデータが貴重であること。そして、日本の医用画像データはそもそも質が高く、人種に関わらず有効活用できる企業が世界的に多いこと。すでに欧米の放射線と病理の学会で営業や出展をしていますが、非常に大きな可能性を感じています。

さらに、創薬AIと医療AIの受託開発事業も一層拡大していく予定です。弊社は良質な病理と放射線のデータも大量に保有しているので、今後はそれを製薬企業とともに創薬AIに活かしていけたらと考えています。

事業を通じて、将来的にはどのような社会を実現したいとお考えですか?

弊社のビジョンは「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すること。健康寿命を延ばしていけば、みなさんが家族との時間や自分の時間にもっと人生をあてられるようになると思うので、医療AIインフラでそういう社会を実現したいです。

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YouTubeでの情報発信など、個人の活動でチャレンジしてみたいことはありますか?

最近は会社が忙しくてメディア活動にあまり時間を割けていませんが、僕がメディアに出ることで「ビジョンに共感します」「応援しています」という方が増えてお取引や採用につながることが多いので、できるだけ挑戦したいと思っています。

出版社の方々から書籍執筆の依頼もいただいていて、2024年にはついに著書を出版しました。『誰でも"天才になる"方法』というタイトルで、「自分の人生はどう足掻いても変わらない」と諦めている人に向けて、僕の生き様と考え方を伝えた本です。今後はAIや勉強法など、他のテーマでも本を書いてみたいですね。

最後に、日本が世界で戦うために注力すべき事業領域はどこか、お考えを聞かせてください。

日本には少子高齢化や日本特有の商慣習などの課題が多いですが、その分、課題先進国としての強みを活かせる領域も多いので、そこにチャンスがあると思います。医療や介護をはじめ、弊社が手がけている医用画像データもまさにそう。あとはロボットなどのものづくり領域、アニメやゲームなどのエンタメ領域といった、日本ならではのアセットにAIを掛け合わせたビジネスも勝ち筋がありそうです。僕たちも日本のスタートアップとして、医療AIで勝ち筋を見出していけるように頑張りますので、応援やご支援のほどよろしくお願いします!

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#2 GROWTH新宿での
働き方

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