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The Voice of GROWTH グロースの声

! GROWTH

(グロース)とは?

席貸しから個室までフレキシブルにご利用可能な、住友不動産が提供する
家具付きインキュベーションオフィスシリーズです。

IT×人の力で「習慣化」を支援。

独自ノウハウで世界に挑む

スタートアップの軌跡

株式会社WizWe

代表取締役CEO

森谷幸平氏

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GROWTH

虎ノ門

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株式会社WizWe

代表取締役CEO

森谷幸平氏

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GROWTH

虎ノ門

株式会社WizWe 代表取締役CEO 森谷幸平氏

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INTRODUCTION

外国語の勉強や健康のための運動は、毎日の積み重ねが大切。でも、継続することは簡単ではありません。「新しいことを始めても三日坊主で終わってしまう」という方も多いのでは?

株式会社WizWeは、行動の習慣化をサポートするプラットフォーム『Smart Habit』を提供する注目のスタートアップ。2023年にインキュベーションオフィス『GROWTH虎ノ門』に移転し、さらなる成長を目指しています。今回は代表取締役CEOの森谷幸平氏に、WizWe設立ストーリーやインキュベーションオフィスの働き心地についてお聞きしました。

#1 起業ストーリー

20代での経験・教訓を乗り越え、スタートアップの経営者へ。
世界を舞台に駆け抜けた日々

インタビューイメージ01

「行動習慣化のサポート」というユニークな事業を展開されていますが、その領域に着目したきっかけをお聞かせください。

学生時代まで遡るんですが、大学3年のときに社会学に興味を持ったことが最初のきっかけです。高度経済成長期の日本は「一生懸命勉強していい大学に入って、いい会社に入れば、人生や世の中はどんどんよくなる」という考え方が主流で、私もそこに乗っかって生きてきたのですが、その考え方に異を唱える学問と出会って衝撃を受けたんです。ちょうどバブル崩壊後の不況で日本の価値観が変わろうとしていた時期だったこともあり、夢中になりました。

その後、アメリカの大学院でも社会学を専攻。人が「ありたい姿」に近づくための「時間の使い方」について研究する中で、気づいたのです。毎日何に時間を使って何を積み上げていくか、つまり「習慣化」が人生を変えるのだと…。ただ、当時は起業や経営には興味がなく、研究者になろうと考えていました。

そこからビジネスの道を選んだ理由は?

そうですね。もともと研究していた「時間の使い方」や「習慣化」というテーマを、実社会を通して、深掘りしようと思うようになったからです。当時は別の業種に就いていたのですが一念発起し、研究テーマとより親和性のある仕事に就くために、北京に本拠を置くEdTech(※)のスタートアップに転職しました。ただ、この頃もまだ研究者に戻るつもりでした。
※Education(教育)Technology(技術)

研究者に戻らない決断をした背景には、何があったのでしょうか。

EdTechのスタートアップに転職し、26歳でフィリピン法人立ち上げを任されたときの経験が、その後の人生を大きく変えたんです。

マネジメントも何も知らないまま現地法人の社長になった私は、激しい価格競争の中で事業を軌道に乗せることができず、1年で倒産を余儀なくされてしまいました。あの経験は人生最大のハードシングスで、自信も自己効力感も完全に喪失。しかし、自分と何度も向き合った結果、「もう一度、同じEdTech領域で、かつスタートアップで、そして海外で、リベンジしたい」という強い思いにかられました。この体験をきっかけに、やはり自分は研究ではなくビジネスの道で挑戦するべき人間なんだと再認識し、母校である早稲田大学発スタートアップの株式会社WEICに入社したのです。

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WEICではどのような事業に携わってきたのですか?

当時のWEICは中国語と日本語のeラーニング事業を展開していました。私はそこで外国籍の社員を抱える日本企業向けに日本語eラーニングを販売する仕事に従事。その後、上海法人に赴任して、日本語eラーニングの市場開拓にも携わりました。

入社してから知ったことですが、当時のeラーニングには「学習するという習慣がなかなか身につかない」という理由から、販売する側にとって「持続的な収益につながらない」という課題がありました。そこで私はさまざまな検証を重ね、「学習者に伴走者がついて、フォローやモチベーションアップのための声かけをすると、習慣が定着する」という「習慣化の法則」を導き出しました。

それをもとに立ち上げたのが、WEICの習慣化サポートサービス『WizHeart』。当時はシステム面よりマンパワーに比重を置いており、私たちスタッフが学習の進捗を見てフォローするサービスでした。この『WizHeart』でWEICは、よりマーケットの大きい英語学習領域に参入。努力の甲斐あって高い成果を上げることができ、導入数も順調に増えていきました。

そして、いよいよWizWeの立ち上げにいたるわけですね。

そうです。そもそもWizWeの立ち上げは、WEICの経営方針転換がトリガーとなりました。主たる事業を教育から営業支援へピボットすることになったんです。それにともない、習慣化事業は他社に売却するという検討もされるようになりました。

一旦は営業支援事業の管掌取締役に就任し、事業拡大に注力するものの、苦労して形にしてきた習慣化事業を手放したくない。そして何より、フィリピンでの経験が忘れられなかった私を奮い立たせたのは、「最後の最後まで粘りたい」という半ば執念のような強い思い。そこで私は習慣化事業をMBO(マネジメント・バイアウト)することを決断。2018年にMBO資金を調達してカーブアウトを実行し、念願だった習慣化事業のスタートアップ・WizWeを設立しました。

さまざまな状況や思いが重なった結果、学生時代から関心を持ち続けていたテーマを「起業家」として追求することになったんですね。

いやいや、全然きれいな話ではないですよ。「今度こそ最後までやるしかない」という崖っぷちの状態でした(笑)。でも、これまでに酸いも甘いも経験してきたからこそ、現在のWizWeの経営にその経験が活かされていると感じます。

WEIC時代に立ち上げた習慣化サポートサービスは、2020年に習慣化プラットフォーム『Smart Habit』として新たにリリースしました。この『Smart Habit』は3つのブランドを展開しています。

1つ目は、語学スクールやフィットネスジム、健康食品など、ユーザーの習慣化によって継続率を高めたいサブスク事業者向けの『Smart Habit LTV』。2つ目は、健康行動を習慣化してウェルビーイングを実現したい法人向けの『Smart Habit Healthcare』。3つ目は、従来から手がけていた法人語学研修の『Smart Habit Enterprise』です。この3つのブランドを軸に、当社は成長軌道に乗るようになりました。

#2 GROWTH虎ノ門に
移転して

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#2 GROWTH虎ノ門に移転して

立ち話から新規事業が生まれる。そんな可能性を秘めたオフィス

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2023年7月、住友不動産が運営するインキュベーションオフィス『GROWTH虎ノ門』に移転されましたが、森谷さんは、これまでどんなオフィスで働いてこられましたか?

北京のスタートアップに勤めていた頃は、アパートの一室でした。リビングがオフィススペースで、いくつかあった別室に私たち社員が住むという、働くか寝るかの生活(笑)。仕事だけに専念したい時期だったので、ちょうどいい環境でしたが…。それに、みんな家族みたいに仲もよかったです。

2018年にWizWeを設立した当初は、WEICのオフィスを一室借りていました。当時はMBOが実現するかもわからない状態で新たにオフィスを借りるのはリスクだったため、1か月だけ間借りさせてもらい、その間に見つけたのが麹町のオフィスでした。

今回、インキュベーションオフィスである『GROWTH虎ノ門』へ移転されましたが、その経緯をお聞かせください。

当社はコロナ禍の影響をまともに受けましたが、逆にそこが新たな市場開拓のチャンスになり、ヘルスケア領域への進出など、サービスのブラッシュアップに成功。さまざまなタフな局面はありましたが、総論として事業は拡大しました。そろそろIPOの準備についても考え始める段階だったので、情報セキュリティ体制などを整えるためにオフィスの移転を検討していたところ、住友不動産虎ノ門タワーにオープンした『GROWTH虎ノ門』の話をタイミングよく聞き、興味を持ったんです。

スタートアップ向けに整備されたオフィスということですが、セキュリティや設備は万全でした。それに立地も非常にいい。こんなに素晴らしいビルにスタートアップが入れる機会はそうそうないだろうと…。さらに、インキュベーションオフィスという、ほかのスタートアップの方々とつながりを持てる環境にも魅力を感じました。ちなみにうちの社員たちは事前にビルを見学していたそうですが、概ね好評だったようです。

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実際に入居してみて、社員のみなさんに変化はありましたか。

移転を機に、フルリモート勤務からリアル出社を増やす方針に変えたのですが、こちらから言わずともみんな自然と出社するようになりました。また、虎ノ門という立地ならではのアクセス面や設備面はもちろん、昔のオフィスと比べて落ち着いて仕事ができますし、オンライン会議用の共用スペースがある、といった環境のよさも魅力のようです。

また、社員だけでなくお客さまの来社も増えました。もちろんコロナが5類に移行したあとに移転したという理由もありますが、いいオフィスに移るとみなさんオフィスを見に来られるんだなと感じました。お取引先をはじめ、出資を検討くださっている方や、採用面接を受ける方など、さまざまな方から「いいオフィスですね」と言っていただけるので大変うれしいですね。

「出社したくなるオフィス」というのはいいですね。

そうですね。もちろん出社ウェルカムなのですが、私は、出社比率を高めつつ、リモートも組み合わせたハイブリッド型の働き方が理想的だと思っています。

フル出社の時代と比べて対面の時間が限られている今、必要なのは密なコミュニケーション。リモートベースでも問題ない業務はリモートで。今までにない発想やスピード感が求められる業務は、コミュニケーションを効率的にとれるように出社で。そこで対話やブレストをしてアイデアを捻り出すのです。

加えて、当社は子育て世代なども多く活躍しています。「社員の多様性に合わせて働き方の柔軟性を高めつつ、生産性も高める」ということもあわせて考えていく必要があるので、よりベストなハイブリッドワークの形を模索しているところです。

ほかのスタートアップとの交流やビジネスマッチングはありますか。

オフィスを一歩出れば他社の社長さんや社員さんとすれ違うので、情報交換したり顧客を紹介し合ったり…というのは日常茶飯事。「今度コラボイベントやりましょう」といった話も自然発生的に生まれます。さまざまな業種のスタートアップが集まっているので、「○○領域の会社に声をかけたいな」というときは、思いあたる会社の部屋まで行ってノックするだけで直接話ができる。いわば、ご近所感覚ですね。メールを送るより何倍もスピード感があります。

実際に、そうしたつながりからアクセラレーションプログラムやピッチイベントに参加させていただくなど、事業へのメリットはすでに実感しています。フロアを超えた懇親会などもあるようなので、近い将来、立ち話から新規事業が生まれるなんてこともあるんじゃないかと思っています。

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#1 起業ストーリー

#3 これからの
「事業」と
「ワークスタイル」

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#3 これからの「事業」と「ワークスタイル」

日本のサービス業として、「行動習慣化」を世界に開放する

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設立から約6年。WizWeは将来に向けてどのようなロードマップを描いていますか。

将来のIPOを目指し、現在は事業成長に邁進しています。数年後の株式上場をひとつの通過点として見据え、今ある事業の柱をより強固なものにしていきたい、というのが私たちのビジョンですね。

サブスク市場は1兆円あると言われています。医療・ヘルスケア市場も2040年に100兆円を超えると言われており、これからの人生100年時代、「予防」そして「未病」分野のニーズはより一層高まっていくでしょう。そうした巨大なマーケットに「行動習慣化」で挑み、IPO、そしてその先のさらなる成長を目指していきたいと考えています。

「行動習慣化」は語学やヘルスケア以外にも、さまざまな領域に応用できそうですね。

そうなんです。実は、次に見据えているのが「お金」の領域。貯金を習慣化して継続すれば、貯まったお金を投資にまわして一定の資産を形成することもできますし、数十万円もあれば人生が変わるような経験をプロデュースすることもできます。

世の中は不条理や不合理だらけで、生まれてくる環境は人それぞれかもしれません。でも、やり方次第で、そこから梯子をかけて登っていくことができる。そのための方法が「行動習慣化」だと私は思っているんです。なかでもお金という領域は人生に深く関わります。お金がないことや貧富の差によって起こるさまざまな問題を、お金にまつわる習慣を突き詰めることで解決していきたいですね。

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グローバル展開についてはどうお考えですか。

今後日本は人口が減少していきますが、日本社会が抱える課題は、ゆくゆくは世界共通の課題。少子高齢化社会の中で日本が苦労してつくり上げていくスモール&コンパクトシティのような都市モデルは、これから世界中でニーズが高まっていくと思います。人口100億人をピークに世界人口は減少しますので。

この先、日本が世界で勝負していくには、こうした都市モデルの輸出と、日本が誇るサービス業の輸出が要になるはず。そこで挑戦したいのが「習慣化サポート」の輸出です。私たちの事業は、人が人をサポートする「サービス業」。日本だけではなく世界中の人の人生を変えることができると思うんです。インフラや街づくりに関わる企業のみなさまと一緒に、世界で都市モデルの構築に取り組んでいく、これが将来的なビジョンです。

また、私たちは自社を「黒衣(くろこ)」だと思っています。自分たちが表に出る必要はなく、さまざまな方や企業が当社のノウハウを使ってビジネスをすることで、習慣化というものは指数関数的に広がっていく。黒衣に徹し、ノウハウを磨き、世界に開放していく、というチャレンジを今後も続けて、世界100億人にサービスを届けるプラットフォーマーへと進化していきたいです。

事業の成長には社員のみなさまの力が不可欠ですが、『GROWTH虎ノ門』に入居し、働く環境への考え方に変化はありましたか。

「人が集うことの重要性」をより感じるようになりました。社内でいえば、お互いのことをもっと深く理解したり、創造性の高い仕事をしたり、大きな課題が生じた際に集中してブレストしたりするときには、やはり対面で話すことが大切です。週に何回か顔を合わせて対話の機会をつくることが、スタートアップに必要な創発につながると考えています。

入居しているほかのスタートアップの方々とも、同じビルに集っているからこそ意図していない創発が生まれる。事業がユニークで、かつコラボレーションしやすいステージの会社が揃っているところも、個人的にいいなと思っているんです。偶然すれ違って、立ち話して、3分で話がまとまる…なんて、通常ではあり得ないことですから。

今後、WizWeをさらに成長させていくためには、生産性・創発性と働きやすさをともに向上させていくことが不可欠。『GROWTH虎ノ門』のメリットを最大限に活かしながら、働く環境をより一層研ぎ澄ませていきたいです。

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